小5でバレーボールチームが出来て小6になると隣の小学校までよく練習試合にいくようになった。そのエンジェルスというチームのコーチがかっこよくてうらら子は俄然やる気がでてどんどん上達していった。
そのあこがれのコーチに会えるのは練習試合と当時盛んだった夜店。
もちろんお金はないのでりんご飴を買うわけでもなく、くじ引きやゲームをするわけでもなく、ただコーチを探し偶然会ったように挨拶してしゃべることが目的だった。
で、ある日事件が・・
なんでそうなったのかは覚えてないのだけど、コーチの財布を自転車のかごに入れて気が付いたら消えていたんです。コーチは特に私を責めるわけでもなく「もういいよ」って感じだったんだけど私はプチパニックに。
そしてお金を返したくてアルバイトしよう!と思いついたのです。
当時は市場や工場の壁に「アルバイト募集」という紙がよく貼られていた時代。バイト探しには苦労しなかったのだけど(いや、おかしいおかしい)なんと大きなハム工場の扉を叩いたんです(この子ただものちゃうな)
もちろん背格好を見たら子供だとすぐバレるし「無理!」と断られるのが当たり前なはず。
でもそこの女社長さんが出てきてくれて私の話を事務所で聞いてくれたんです。そして「3日間だけ」という期限付きで働かせてくれたんです!
「父には秘密にしてください!」と頼んだけど、さすがに家に帰ったらそこは即バレていました。
三日間、皮をはがれて逆さ吊りになった豚さんたちが並んでいる隣でハムのシール貼りのお仕事をおばちゃんたちに交じってさせてもらったうらら子。
今から思えば嘘のようなホントの話。昭和だからこそのエピソード。
あの社長さん今どうしているんだろう・・・会えるならお礼が言いたいな。